我々手彫印章の世界では第一に印章の完成度がその商品価値を決めますが、やはり印材によって持つ人の印象がずいぶん変わってくることも事実です。高価な印材が持つ気品さや優雅さは印章の価値を左右します。日本の伝統工芸品の多くに使用されている漆という素材は、漆印と名付けた印材は持ち主の好みやライフスタイルに合わせた印材選びの一助となれば幸いです。
望月煌雅
はんこ(印章)作りの第一人者、望月煌雅。創意工夫で彫りだす文字の印影は線の美しさ、
繊細さ(こまやかさ)、優雅さ、さらに品格も備える。その彼が日本各地の漆芸職人と出会い、今までにない印影と漆芸とのコラボ、ミニ・ジャパン・ワールド、うるしるしが誕生!
漆芸(ジャパン)の技法は各地さまざま。それぞれの特徴を生かし、印影を縁取る表現は、
技の万華鏡でもあり、新しい現代の花押でもある。
「うるしるし」は、あなたの唯一無二の“身しるし”に、子や孫など愛する家族への贈り物に、
人生の節目の記念に、宝石にも勝る一生の宝物に、故郷の漆芸にこだわりたい人に…。
関根由子(和くらし・くらぶ)
漆芸
01 津軽塗 Tsugaru Nuri
華やかさに斬新さを加えた伝統の唐塗
津軽塗の始まりは、江戸時代初期に遡ります。津軽藩の藩主にめしかかえられた、漆器作りの職人が始めたと伝えられています。
06 鎌倉彫 Kamakura Bori
刀痕彫
鎌倉彫の彫刻技法の一つである刀痕彫の模様と、マコモ蒔きによる陰影が特徴です。
16 紀州漆器 Kishu Shikki
根来塗
朱漆の中に表れる黒漆の飛び模様は一つとして同じ模様はない。
18 香川漆器 Kagawa Shikki
象谷塗
江戸時代の漆工、玉楮象谷(たまかじぞうこく)が、創始した漆塗技法。弁柄を混ぜた漆を塗り、その上に黒漆を塗る。さらに文様を色漆で塗ってマコモの粉をかけて仕上げる。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について
11 高岡漆器 Takaoka Shikki
三種の特徴的な技法をもつ
17世紀初期にはじまり、18世紀中頃に産地を形成しました。堆朱、存清等の中国の技法を基にした彫刻塗、サビ漆で花鳥山水を描いた勇助塗、貝や玉石の貼り付け技法を駆使した青貝塗の三種があります。